5、いかにしてコード主義から逃れるか?

コード主義から逃れる方法は、ぱっと思いつく限りで二つある。最初からゲームに参加しないという方法と、コードの抜け穴を見つけるという方法である。 前者は、例えば引きこもりという方法である。 後者はさらに、コード作成者が意図した抜け穴と意図しない…

4、コード主義の躓きの石

コード主義の躓きの石はコードを作成した者がいることである。それはアーキテクチャが人工物である以上、仕方の無いことではあるが、そのために、コード主義的作品はしばしば、陰謀史観的、勧善懲悪的、目的論的になってしまう。言い換えれば、物語の復活が…

3、「コード主義」とは何か?

なぜルールとコードを分けるかと言えば、コード主義においては現実社会のルール(法律)はしばしば無視されるからである(ついでに言えば、自然法則も)。そして、法律が公開されていなければならないのに対して*1、コードは隠されたままでも構わないからで…

2、ルールは物語か?

しかし、そうなると疑問が出てくる。araignetさんはルール主義におけるルールを「法」と同一視している。だとすれば、ルールもまた物語なのだろうか? というのも、一般的には法律は一定の条文を備え、「主体」へと呼びかける物語的なものであるからである。…

1、「ルール主義」とは何か

・araig:net - 「ゼロ年代の想像力」における「決断主義」という言葉がいまいちピンとこないので、自分なりに考えてみる(リンク切れ) 続きが書かれるのを待っていたのだが、なかなか書かれる様子がないので、仕方なく見切り発車して書き上げた文章をアップ…

「ゼロ年代の想像力」から遠く離れて

表題は、書いてみたら「ゼロ年代の想像力」とはあまり関係ない話になってしまったという意味である。

パオロ・マッツァリーノ『つっこみ力』筑摩書房(ちくま新書)、2007年。

つっこみ力 (ちくま新書 645)作者: パオロ・マッツァリーノ出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/02/06メディア: 新書購入: 4人 クリック: 55回この商品を含むブログ (210件) を見るhttp://d.hatena.ne.jp/KTA/20070327/p1の続きです「つっこみ力」とは何…

ボケ化する世界とメタ化するツッコミ

SMI

http://d.hatena.ne.jp/KTA/20070326/p1の続きです。「ボケ化する世界とメタ化するツッコミ」とはどういう意味か? もう少し詳しく説明しておこう。 ※以下の文章では、行為としてのつっこみは「突っ込み」、役割としてのつっこみは「ツッコミ」、両者を特に…

kashmir『百合星人ナオコサン』第1巻、メディアワークス、2007年。

百合星人ナオコサン (1) (Dengeki Comics EX)作者: kashmir出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2006/12/09メディア: コミック クリック: 100回この商品を含むブログ (178件) を見る 主役のナオコサンは、地球総百合化による征服を目論む百合星からや…

擬人化から非人化へ

余談めくが、『エチカ』の定理には「すべての個体は程度の差こそあれ魂を宿している(animata)」(定理13の備考)というものもある。いわゆる、スピノザの万有霊魂論である(『スピノザの世界』p.123)。 面白いことに、「万物に魂が宿る」という擬人化(an…

擬人化をゆるす

人が未知の出来事、すなわち「真の原因を知らない」出来事と出会ったとき、対処の方法は二つある。理解と擬人化がそれである。前者は真の原因を知ることであり、後者は真の原因を知ろうとすることなく、その認識における「蝕」を自分の性状からの類推によっ…

スピノザ『エチカ』における擬人化

スピノザの世界―神あるいは自然 (講談社現代新書)作者: 上野修出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/04/19メディア: 新書購入: 16人 クリック: 117回この商品を含むブログ (132件) を見る 以前書いた「『擬人化たん白書』:萌え擬人化に見る愛」というエント…

「作家主義」について再び問う、あるいは問わない

araig:net:「作家主義」について、その2 (リンク切れ) 前回の文章を書くに当たって僕の頭にあったのは、何も考えないで(自らのスタイルに無自覚に)映画についての批評(っぽいもの)を書くと、作家主義になってしまうということです。それは第一に自分…

なんだ、結局「名前が気に食わん」ってだけか……

araig:net−目を曇らせないための「作家主義」 (リンク切れ) 「作家主義」という言葉について抱いていたイメージが覆されました。 僕は全然知らなかったのですが、映画批評における「作家主義」は、文学や演劇批評の延長で映画を批評することに対する批判か…

『擬人化たん白書』:萌え擬人化に見る愛

擬人化たん白書作者: アスペクト出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2006/08/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 79回この商品を含むブログ (29件) を見る フルカラーで、値段のわりに、結構丁寧に作ってある。 紹介されている「擬人化たん」たちはある…

平坦な戦場でおたくが生き延びること

araignetさんが、岡田斗司夫氏の「オタク・イズ・デッド」を前振りにして、オタク第一・第二世代と第三世代との断絶の原因を考察している。 araig:net−オタクが死んだのは記憶術の問題かもしれない (リンク切れ) araignetさんは、オタク第一・第二世代と第…