2006-01-01から1年間の記事一覧

擬人化から非人化へ

余談めくが、『エチカ』の定理には「すべての個体は程度の差こそあれ魂を宿している(animata)」(定理13の備考)というものもある。いわゆる、スピノザの万有霊魂論である(『スピノザの世界』p.123)。 面白いことに、「万物に魂が宿る」という擬人化(an…

擬人化をゆるす

人が未知の出来事、すなわち「真の原因を知らない」出来事と出会ったとき、対処の方法は二つある。理解と擬人化がそれである。前者は真の原因を知ることであり、後者は真の原因を知ろうとすることなく、その認識における「蝕」を自分の性状からの類推によっ…

スピノザ『エチカ』における擬人化

スピノザの世界―神あるいは自然 (講談社現代新書)作者: 上野修出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/04/19メディア: 新書購入: 16人 クリック: 117回この商品を含むブログ (132件) を見る 以前書いた「『擬人化たん白書』:萌え擬人化に見る愛」というエント…

「作家主義」について再び問う、あるいは問わない

araig:net:「作家主義」について、その2 (リンク切れ) 前回の文章を書くに当たって僕の頭にあったのは、何も考えないで(自らのスタイルに無自覚に)映画についての批評(っぽいもの)を書くと、作家主義になってしまうということです。それは第一に自分…

なんだ、結局「名前が気に食わん」ってだけか……

araig:net−目を曇らせないための「作家主義」 (リンク切れ) 「作家主義」という言葉について抱いていたイメージが覆されました。 僕は全然知らなかったのですが、映画批評における「作家主義」は、文学や演劇批評の延長で映画を批評することに対する批判か…

『擬人化たん白書』:萌え擬人化に見る愛

擬人化たん白書作者: アスペクト出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2006/08/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 79回この商品を含むブログ (29件) を見る フルカラーで、値段のわりに、結構丁寧に作ってある。 紹介されている「擬人化たん」たちはある…

平坦な戦場でおたくが生き延びること

araignetさんが、岡田斗司夫氏の「オタク・イズ・デッド」を前振りにして、オタク第一・第二世代と第三世代との断絶の原因を考察している。 araig:net−オタクが死んだのは記憶術の問題かもしれない (リンク切れ) araignetさんは、オタク第一・第二世代と第…