Inspired by『マイマイ新子と千年の魔法』

 本作に関しては、ネットでは、感動したがなぜ自分が感動しているのか分からない、という感想が多く見られた。それは自分には意外な感想であった。なぜなら、僕はそこまでは感動しなかったからである。それなりに感情を揺り動かされはしたものの、涙がにじむほどではなかった。だから、初めて本作を映画館で観賞した直後に書いた批評は、感動した理由の考察ではなく、作品の構造の分析にもっぱら傾注した。
 以下に、別の場所にアップした、その批評を「『マイマイ新子と千年の魔法』の魔法」と題して、転載する。ネタバレしまくりなので、ネタバレが嫌な人は読まないで欲しい。