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趣味と政治の相克―児ポ法問題に寄せて

・http://d.hatena.ne.jp/araignet/20080316/1205667464 一言で言えば、「表現規制には反対だが、二次オタは反対の仕方を間違っている」という話である。 以下、このエントリに対する疑問点を列挙し、この問題に関する僕なりのまとめを提示する。

言い訳

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先日酒の席で、僕がネットにアップしている文章にはすべて目を通しているであろうリアルでの知人から、「肯定的なことを書け」「結論がない」と言われました。 最近はあまり否定的なことは書かず、比較的肯定的なことを書いていると思っていたのですが(一つ…

彼女らのリアル――ケータイ小説の流行に見る若者の現実感覚の変様

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・彼女たちがリアルっていうんなら、ケータイ小説はリアルなんだよ−araig.net *追記:リンク先のサイトは閉鎖したので代わりにInternet Archiveのアーカイブへのアドレスを記しておきます。 http://web.archive.org/web/20071211152118/http://d.hatena.ne.…

成長を予感させるシステムとしての初音ミク

・初音ミクの魅力がオタクでない僕には分からないので教えて下さい−araig.net ・僕の敵は「オタク」ではなくて「CGM翼賛体制」です−araig.net*追記:リンク先のサイトは閉鎖したので代わりにInternet Archiveのアーカイブへのアドレスを記しておきます。 ht…

私たちはいったい何を愛しているのだろうか?――固有名と恋愛の無根拠性について

・固有名への愛/ポリリズムの恋−araig:net *追記:リンク先のサイトは閉鎖したので代わりにInternet Archiveのアーカイブのアドレスを記しておきます。 http://web.archive.org/web/20071128133032/http://d.hatena.ne.jp/araignet/ Perfumeの曲はPerfumeの…

8、結論

「ゲーム脳」などと言っているうちに、現実の世界がゲーム空間化しつつある。世界がアーキテクチャによって自閉しつつある。その先に待ち受けるのは『マトリックス』のような世界である。人間がアーキテクチャに完全に依存し、支配され、その一部となってい…

7、大人と子どもの戦い

自分の夢がなく、他人の夢をかなえることを自分の夢とする主人公の夢原のぞみは、「欲望とは他者の欲望である」というラカンのテーゼを地で行くキャラクターである。ちなみに口癖は「けって〜い(決定)!!」で、そこに「決断主義」との関係を見てもよいかも…

6、ゲームに参加しないという戦術

まず、これまでに明らかになったコード主義的作品の特徴を列挙する。 コードが存在する。 そのコードは普遍的ではなくローカルなものだが、ゲーム参加者(プレイヤー)にとっては絶対である。 コードを破ることはそもそも不可能であるか、ゲームからの脱落を…

5、いかにしてコード主義から逃れるか?

コード主義から逃れる方法は、ぱっと思いつく限りで二つある。最初からゲームに参加しないという方法と、コードの抜け穴を見つけるという方法である。 前者は、例えば引きこもりという方法である。 後者はさらに、コード作成者が意図した抜け穴と意図しない…

4、コード主義の躓きの石

コード主義の躓きの石はコードを作成した者がいることである。それはアーキテクチャが人工物である以上、仕方の無いことではあるが、そのために、コード主義的作品はしばしば、陰謀史観的、勧善懲悪的、目的論的になってしまう。言い換えれば、物語の復活が…

3、「コード主義」とは何か?

なぜルールとコードを分けるかと言えば、コード主義においては現実社会のルール(法律)はしばしば無視されるからである(ついでに言えば、自然法則も)。そして、法律が公開されていなければならないのに対して*1、コードは隠されたままでも構わないからで…

2、ルールは物語か?

しかし、そうなると疑問が出てくる。araignetさんはルール主義におけるルールを「法」と同一視している。だとすれば、ルールもまた物語なのだろうか? というのも、一般的には法律は一定の条文を備え、「主体」へと呼びかける物語的なものであるからである。…

1、「ルール主義」とは何か

・araig:net - 「ゼロ年代の想像力」における「決断主義」という言葉がいまいちピンとこないので、自分なりに考えてみる(リンク切れ) 続きが書かれるのを待っていたのだが、なかなか書かれる様子がないので、仕方なく見切り発車して書き上げた文章をアップ…

ボケ化する世界とメタ化するツッコミ

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http://d.hatena.ne.jp/KTA/20070326/p1の続きです。「ボケ化する世界とメタ化するツッコミ」とはどういう意味か? もう少し詳しく説明しておこう。 ※以下の文章では、行為としてのつっこみは「突っ込み」、役割としてのつっこみは「ツッコミ」、両者を特に…

擬人化から非人化へ

余談めくが、『エチカ』の定理には「すべての個体は程度の差こそあれ魂を宿している(animata)」(定理13の備考)というものもある。いわゆる、スピノザの万有霊魂論である(『スピノザの世界』p.123)。 面白いことに、「万物に魂が宿る」という擬人化(an…

擬人化をゆるす

人が未知の出来事、すなわち「真の原因を知らない」出来事と出会ったとき、対処の方法は二つある。理解と擬人化がそれである。前者は真の原因を知ることであり、後者は真の原因を知ろうとすることなく、その認識における「蝕」を自分の性状からの類推によっ…

スピノザ『エチカ』における擬人化

スピノザの世界―神あるいは自然 (講談社現代新書)作者: 上野修出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/04/19メディア: 新書購入: 16人 クリック: 117回この商品を含むブログ (132件) を見る 以前書いた「『擬人化たん白書』:萌え擬人化に見る愛」というエント…

「作家主義」について再び問う、あるいは問わない

araig:net:「作家主義」について、その2 (リンク切れ) 前回の文章を書くに当たって僕の頭にあったのは、何も考えないで(自らのスタイルに無自覚に)映画についての批評(っぽいもの)を書くと、作家主義になってしまうということです。それは第一に自分…

なんだ、結局「名前が気に食わん」ってだけか……

araig:net−目を曇らせないための「作家主義」 (リンク切れ) 「作家主義」という言葉について抱いていたイメージが覆されました。 僕は全然知らなかったのですが、映画批評における「作家主義」は、文学や演劇批評の延長で映画を批評することに対する批判か…

『擬人化たん白書』:萌え擬人化に見る愛

擬人化たん白書作者: アスペクト出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2006/08/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 79回この商品を含むブログ (29件) を見る フルカラーで、値段のわりに、結構丁寧に作ってある。 紹介されている「擬人化たん」たちはある…

平坦な戦場でおたくが生き延びること

araignetさんが、岡田斗司夫氏の「オタク・イズ・デッド」を前振りにして、オタク第一・第二世代と第三世代との断絶の原因を考察している。 araig:net−オタクが死んだのは記憶術の問題かもしれない (リンク切れ) araignetさんは、オタク第一・第二世代と第…